新生児特定集中治療室の赤ちゃんと音楽〜ダニエルの友人で看護婦さんのクリスティンによる [音楽療法]

八ヶ月半の赤ちゃんの新米ママとして、音楽がすでにどれほど私の子供の人生に影響を与えているか、個人的なお話から始めたいと思います。
私の赤ちゃん、ルークを病院から家に連れて帰った日から、私は音楽を聴かせたり、歌を歌ってあげたりしています。(そんなに上手じゃないけど、何だか気に入っているみたい!)私は音楽にそれほど赤ちゃんを落ち着かせるちからがあるとは思っていなかったのですが、ある日、フリーウェイをドライブ中、赤ちゃんが騒ぎ出して、大泣きし始めたことがありました。後部座席には一緒に家族の人が座って赤ん坊をあやしていたのですが、退屈して車の座席にいるのが嫌になったようでした。そのとき、私はダニエルのCD「ララバイ」を取り出してプレイヤーに入れ、ボリュームを上げました。(よく聞こえるように泣き声よりも大きな音で)、そして運を天にまかせました。
すると驚くことに、1、2分でルークは泣きやみ、家族が言うには「とても穏やかな顔つきになって、音楽を聴いているようにみえた」そうです。そして、赤ちゃんは眠りにつき、私はこのうえもなく幸せに感じたのです。

それ以来、お昼寝やベッドタイムのとき、ララバイをかけると赤ちゃんのぐずつきがおさまったので、それは「おねむの時」の大切なお約束になりました。

私は幸運にも何の問題もなく、十分に長い間お腹にいた健康な赤ちゃんを産み、出産の翌日には病院から家に戻ることができました。一方、医療の進歩とともに、非常に重い病いをもった赤ちゃんや、23週という胎児でさえも生きながらえることができるようになりましたが、NICUで何週間も何ヶ月間もすごさなくてはなりません。

医師や看護婦の皆さんが、これらのか弱い赤ちゃんをできるだけ静かで落ち着いた環境で育てようと頑張っておられることは承知していますが、看護婦として様々なNICUで相当期間働いてきた私としては、それは容易なことでないことを知っています。そこでは常にモニターのアラーム音が鳴ったり、どこかでIVポンプのブザー音がしているからです。このような環境は潜在的に刺激過多であり、乳児にとって有害になる場合があります。例えば、泣くことで呼吸器や心臓の鼓動率が上がり、負担が増えるからです。そこでNICUでの音楽療法が、乳児を癒し、入院中のケアをサポートするかどうかの研究が行われています。
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ウェスタンシドニー大学の研究員であるDr. Stephen Mallochが行ったある研究によると、メルボルンのロイヤルチルドレンズホスピタルのNICUに入院中の乳児に音楽療法を行ったところ、赤ちゃんのかんしゃくや泣くのが減ったそうです。
40人のあかちゃんが研究対象となり、3つのグループに分けられました。入院中、音楽療法を受けたグループ、入院中、音楽療法を受けなかったグループ、そして家庭で音楽療法を受けずに育てられた健康な赤ちゃんのグループです。1ヶ月の期間を置いて、各グループに2回発達テストを行いました。その間、音楽療法を受けるグループの赤ちゃんは、メルボルンのロイヤルチルドレンズホスピタルのシニアミュージックセラピストであるHelen Shoemarkから12回に及ぶセッションを受けました。Malloch博士の報告によると「音楽療法は子供たちの行動をサポートしていることがわかりました。このグループの子供たちはいらいらや泣くことが入院当初と同じレベルを維持しました。一方、音楽療法を行わなかった新生児病棟の赤ちゃんはいらいらや泣くことが増え、時間がたつにつれて入院の状況に対処できないようになりました。」
そして、博士はこのテストの結果、音楽療法を受けた子供たちは、受けなかった子供たちよりエネルギーの消費量が少なかったと締めくくりました。乳幼児が泣き、非常にいら立つと、新陳代謝率が上がり、これにより「入院の長さを決定する二つの重要な要素である、癒しおよび体重増加」率に影響を与える可能性があるということです。
Shoemarkさんは「わたしは今、音楽療法の特殊な性格について、分析しているところです。そうすれば、この分野のほかのセラピストが利用できるようになるでしょう。
と語っています。
NICU(新生児特定集中治療室)における素晴らしい音楽の利用法としてはまた、「おしゃぶり起動ララバイ(子守唄)-PAL」があります。
妊娠の約34週以前では、赤ちゃんの吸い込み/飲み込みの反射行動は弱く、まちまちです。特に(のどに)挿管された赤ちゃんの場合、(当然ながら)口に入ったものを嫌う傾向があるので、この反射行動を引き出すのは容易ではありません。PALはこのような赤ちゃんに、活発な吸い込みを行ったらご褒美としてララバイを聞かせることで、吸い込みを教えるものです。使用されているおしゃぶりは小型のコンピューターに接続し、赤ちゃんがちゃんと吸い込みを行ったら、それを検知できるようになっています。そのとき、ご褒美として女性の声の音楽が流れるようになります。赤ちゃんが吸い込みをやめると、10秒後にララバイは鳴り止み、赤ちゃんがまた吸い込みを始めるとまた音楽は再開します。
オーランドのフロリダチルドレンホスピタルの音楽療法セラピスト、Jayne Standley博士は「赤ちゃんが適切な強化により、適切な授乳ができる」ようになってほしいと言う願いから、このおしゃぶり装置を発明しました。開発に10年間費やし、吸い込み/飲み込み反射行動を調節する方法を赤ちゃんに教える研究を行う中で、34週の未熟児がこの装置により短時間で学ぶことができることがわかりました。この学習により学びとった吸い込み/飲み込み反射行動は、哺乳瓶による授乳時まで維持され、より効果的な(授乳)セッションやより早い体重の増加を可能にしています。
この音楽によるおしゃぶり装置は、FDAが新生児への使用を許可しています。別の研究によれば、NICUでPALを使用した赤ちゃんは、使用しなかった赤ちゃんに比べて体重がより増えたということです。
音楽療法はNICUに入院しているか弱い乳幼児をサポートする安価で控えめな方法であり、盛んな発育を助け、健康な赤ちゃんとして家に帰すことができる方法です。音楽療法やPALの使用が全国のNICUで当たり前のことになるのを願っています。

Copyright :Ms. Kristin S. Padilla, RN, BSN, RNC & Wonder of Sound

参考文献

Cevasco, AM, Grant RE. Effects of the pacifier activated lullaby on weight gain of premature infants. Journal of Music Therapy. 2005 Summer; 42(2):123-39
音楽療法ジャーナル 2005年夏 未熟児の体重増加に関するおしゃぶり装置によるララバイの効果について
Standley, J. The effect of music-reinforced nonnutritive sucking on feeding rate of premature infants. Journal of Pediatric Nursing, Volumn 18, Issue 3: 169-173
音楽が強化する非栄養的吸い込みの未熟児における授乳率への効果

University of Western Sydney (2006, February 14). Rockaby Baby: Research Shows Gentle Singing Soothes Sick Infants. ScienceDaily. Retrieved April 25, 2010 from http://cts.vresp.com/c/?LisemEnterprises/ace7e18c40/TEST/51bf621a81
ウェスタンシドニー大学(2006年2月14日)ロッカバイ・ベイビー:優しい歌声は病気の幼児を癒すという研究結果

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